- Story -
「ソラが死んだ」

ホワイトに送られてきた手紙には、
その一言だけが書かれてあった。

劇作家のホワイトと、俳優のソラ。
二人は宿命の恋に落ちた。
1年後、ソラは失踪する。
そして、ソラは死んだらしい。
一体なにがあったのか。

ホワイトはソラとの日々を思い返した。
愛と裏切りと嫉妬にまみれた、真っ赤な血のような記憶。
ソラは炎のようにホワイトを愛し、
そしてあっさり切り捨てた。

「それは、嘘」
誰かの声が聞こえる。
ソラの親友、ケイだった。

ケイにとってソラは、
野心と恋慕がうごめく緑色の海のような人だった。
彼に憧れ、彼をやっつけたくてたまらなかった。
そして、実際にやってのけた。

「それは、嘘」
また誰かの声が聞こえる。
女優のタキだった。

タキはソラに騙された。タキにとってソラは、
小枝を金の生る木に見せかけるような大ペテン師だった。
彼のせいで人生を狂わされた。

「それは、嘘」
誰かの声が聞こえた。
蒼い光の中から姿を現したのはソラ自身だった。

ホワイトはソラの真実を知る。
あの時、彼が何をしようとしていたのか、
そしてホワイトへの本当の想いを。

「それは、嘘」
誰かの声が、聞こえた。

「ソラが死んだ」
真実を分割するプリズム。
視る者によって変わっていく世界を
多面的に描きながら
心の交錯を紐解く、究極の恋愛劇。

「笑顔はあんまり好きじゃないな。
君が笑う時は、嘘をつくときだから」

あなたにそう言われると私はよく機嫌を損ねた。
それを愛だとなぜもっと早く気付かなかったのだろう。

これは私の、懺悔の物語。
あの頃の私は、あなたの想いに気付くことなく
一人で傷つきあなたから遠ざかった。
時が経ちあなたはもうこの世にいない。

あの時、あなたは本当は、何を言おうとしていたの。

鏡の奥を覗きこんで「愛してる」と呟いてみたら
過去への扉が開いた。

今、やっと私は本当のあなたに逢いにいく。

mosaique season1 REAL‐LOVE
File1『PRISM』

脚本より

プロデューサー、ユカ(瀬川ももえ)の事務所に、脚本の売り込みにやってきた脚本家のホワイト(S)は、ユカに、「自分の痛い恋愛経験でも書いてみれば?」と冷たく追い返され、目を背けていた過去の出来事に、向き合っていく。

六年前、神戸から全財産の100万円を握りしめて上京したホワイトは、同郷の友人でもある女優マナ(相原えみり)の紹介で、ミミ(諸治蘭)率いる劇団の、座付作家となった。
ホワイトが、ミミの劇団を選んだ理由は、ただ一つ。スター俳優のソラ(南千紗登)が所属しているからだ。
舞台上で眩しいほど光り輝くソラを、一目見て以来、ホワイトの心はソラへの想いが溢れてしまっていた。
劇団には、新進気鋭の俳優で、マナの恋人でもあるケイ(朝井莉名)や、ソラに憧れるアイドルのアヤ(小板橋みすず)がいて、 ホワイトの書いた脚本による公演にむけ、駆け引きやジェラシー、虚々実々の人間模様が、繰り広げられていく。
ホワイトはソラを愛し、ソラもホワイトだけを愛していた。ホワイトは愛情につつまれ脚本を書き、ソラが全身全霊で演じる。
全ては、幸せに向かっているように思われた。
しかし…。

ソラがアヤと夜の街に消えた。
ホワイトは、ケイの誘惑に落ちていく。
満月の夜。
ステージ上で、ホワイトがソラを刺す?

ソラを殺した。

それは、
ホワイトが語る、あの日の出来事。
ホワイトの世界は、赤の世界。
ホワイトは、本当にソラを殺したのか?
ケイが語り出す。
ケイが見た、あの日の出来事。
ケイの見た世界は、緑の世界。
アキが語る。
アキが見た世界は、黄色の世界。
ミミが語る。
ミミが見た世界は、青の世界。

見る人により、180度違ってしまう世界は、
まるで、プリズムで見た、
四色の世界。

誰もが真実を語り、
誰もが嘘をついている。

四色が混じり合うと
光は、真っ白になる。

あの日、
ソラとホワイトの間に
何があったのか?

KOSENのテーマ曲、hovalの歌、高山典子のヴァイオリンの調べ。
ダンスと台詞。
その向こう側には…

真実の愛が
きっとあるはず。

体験してください。

あなたも、
プリズムのきらめきを。